色彩心理学は言い当てる

それでは色彩心理学は信用できないのか、と言えば、占いを信じる程度には、信じています。じっさい色彩心理学は当たらずとも遠からずですので。
たとえば、マーク・コスタビ。彼の画は、彼が雇う大勢のスタッフたちによって大量生産されています。そのやり方は、彼が評価され、彼の画が売れに売れた 1980 年代から問題視されていました。というのもこれまでのアーティスト像とはかけ離れたものだったので、今後彼がどうなるのか注目されていたのです。アーティストとは、どこにもない何かをインスピレーションによって創造するものだという認識が、ほとんどの人々の了解事項です。それを彼が雇うスタッフたちによって大量生産されるということは、アーティストにまつわる神秘的なイメージまでもが一掃されてしまうことになります。
マーク・コスタビは、マネキンを模した単純な人物に、さまざまなスタイルを与えます。そうして色彩心理学を多様し、人はどの色に、どのように反応するのかを調べ上げたのです。調べたのは彼ではなく、どうやらスタッフのようですけど。色彩心理学を使って色を落とし込んでいったのです。落とし込んだのも(作業したのも)スタッフですけど。
こうして彼の画は大量生産されていきました。人々は彼の画から、色彩心理学の狙いどおりの反応を示します。悲しい、と思うところで、悲しい、と見る人が感じるような色彩心理学を駆使して。
あれから月日が経ち、彼の画の価格は暴落しています。人々は、たとえ色彩心理学の狙いどおりの反応を見せたとしても、人々が望んでいるのは言い当てることではなく、その先にある、もっと重要な、かけがいのない何かだったのです。

マーク・コスタビは今も同スタイルで描いてますよ +1 !

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